私がメンタル不調になった際にはこの制度はなかったので知らなかったのですが、2005年4月より新しく施行された制度で、初診日に何らかの事情で国民年金に任意加入していなかったことにより、障害者基礎年金等を受給していない障害者の方について、福祉的措置として新たな法律により支給されるようになりました。
制度ができた背景(年金未納問題など)があり、私が学生の時も大学生は未加入でいつの間にか強制になっていた気がします。調べてみるとこの未納期間について不利益を被るために保障する制度のようです。
基本的には働いた経験がある場合は、「障害者基礎年金」受給者になるので、この制度は対象外になります。
特別障害者給付金
国民年金に任意加入できる期間に、任意加入しなかったことにより、障害基礎年金を受給して
いない障害者の方を対象に給付されます。
対象となる方
たしかに平成3年以前の大学生は国民年金未加入でした。
私も国民年金払わないといけないのかと頭を抱えてました。
この制度の対象になる方は、平成3年3月以前の学生かもしくは昭和61年3月以前の配偶者の方で、当時初診を受けていて、現在障害者等級が1級もしくは2級相当ということです。
かなり長期に障害と向き合って苦しまれたんでしょうね。厚生労働大臣の認定が必要というのも厳しい条件です。
-平成3年3月以前に国民年金任意加入対象であった学生(※1)
引用:厚生労働省
-昭和61年3月以前に国民年金任意加入対象であった被用者等の配偶者(※2)であって、当時、任意加入していなかった期間内に初診日(※3)があり、現在、障害基礎年金の1級、2級相当の障害の状態にある方が対象となります。
ただし、65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当された方に限られます。
なお、障害基礎年金や障害厚生年金、障害共済年金などを受給することができる方は対象になりません。
また、給付金を受けるためには、厚生労働大臣の認定が必要になります。
(※1)国民年金任意加入であった学生とは、以下を目安としてください。
引用;厚生労働省
次の(1)または(2)の昼間部在学していた学生(定時制、夜間部、通信を除く。)
(1) 大学(大学院)、短大、高等学校および高等専門学校
(2) また、昭和61年4月から平成3年3月までは、上記(1)に加え、専修学校及び一部の各種学校
(※2)被用者等の配偶者とは、以下の場合となります。
(1) 被用者年金制度(厚生年金保険、共済組合等)の加入者の配偶者
(2) 上記(1)の老齢給付受給権者及び受給資格期間満了者(通算老齢・通算退職年金を除く)の配偶者
(3) 上記(1)の障害年金受給者の配偶者
(4) 国会議員の配偶者
(5) 地方議会議員の配偶者(ただし、昭和37年12月以降)
(※3)障害の原因となる傷病について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日
支給額
老齢年金や遺族年金、労災補償などをすでに受けている場合は併給調整があります。
-障害基礎年金1級相当に該当する方:令和3年度基本月額52,450円(2級の1.25倍)
引用:厚生労働省
-障害基礎年金2級相当に該当する方:令和3年度基本月額41,960円
※特別障害給付金の月額は、前年の消費者物価指数の上昇下降に合わせて毎年度自動的に見直しされます。
-老齢年金、遺族年金、労災補償等を受給されている場合には、その受給額分を差し引いた額を支給いたします。(老齢年金等の額が特別障害給付金の額を上回る場合は、特別障害給付金は支給されません。)
支給条件
年金とは異なる扱いですが、年金と同様2か月に一度支払があります。
-特別障害給付金の支給を受けると、経過的福祉手当の受給資格は喪失します。
引用:厚生労働省
-特別障害給付金は、認定を受けた後、請求月の翌月分から支給いたします。
-支払いは、年6回(2月、4月、6月、8月、10月、12月)です。前月までの分を支給いたします。(初回支払いなど、特別な場合は、奇数月に前々月までの分の支払いを行う場合もあります。)
所得により支給制限がある
受給者の前年の所得により支給制限があります。期限までに前年所得の「現況届」の提出が必要になります。
受給者本人の前年の所得が4,621,000円を超える場合は、給付金の全額が支給停止となり、3,604,000円を超える場合は2分の1が支給停止となります。
引用:厚生労働省
支給停止となる期間は、8月分から翌年7月分までとなります。
手続きの仕方
この「特別障害者給付金」は年金事務所ではなく、最寄りの市区役所、町村役場での手続きとなります。
65歳以上の方
原則として、65歳に達する日の前日までに請求していただく必要がありますが、平成17年4月1日時点で65歳を超えている方については、平成22年3月31日まで請求を行うことができます。また、平成17年4月1日以降から間もなく65歳に達する方についても、65歳を超えてから一定期間は請求を行うことができる経過措置が設けられております。
引用:厚生労働省
窓口は市区役所、町村役場
届出は市区役所、町村役場ですのでご注意ください。
請求の窓口は、住所地の市区役所・町村役場です。
引用:厚生労働省
なお、特別障害給付金の審査・認定・支給にかかる事務は日本年金機構が行います。
必要な書類
「*」印の付いた書類は、所定の様式となります。
市区役所・町村役場、年金事務所に備え付けています。 (*) すべての方に必要な書類です。
特別障害給付金請求書(*)
引用:厚生労働省
-年金手帳または基礎年金番号通知書(添えることができないときは、その理由書)
-障害の原因となった傷病にかかる診断書(次の(1)及び(2)に該当する場合は、複数の診断書が必要となります。)(*)
(1)障害の原因となった傷病が複数ある場合、各傷病についての診断書
(2)65歳を超えている方は、65歳到達前と請求時現在の傷病についての診断書
(3)レントゲンフィルム(次のA~Cの傷病の場合)及び心電図所見のあるときは心電図の写し
A・呼吸器系結核、B・肺化のう症、C・けい肺(これに類似するじん肺症を含む。)
※A~C以外の傷病であっても審査または認定に際しレントゲンフィルムが必要となる場合があります。
病歴・就労状況等申立書(*)
受診状況等証明書(3の診断書が初診時に治療を受けた病院と異なる場合に必要となります。)(*)
特別障害給付金所得状況届(*)
-生年月日についての市区町村長の証明書(住民票(注)など)または戸籍の抄本(1の特別障害-給付金請求書に個人番号(マイナンバー)を記載された場合)は、省略することができます。
-公的年金制度等から年金等を受給している場合、その受給額を明らかにする書類(年金額改定通知書など)
-初診日において配偶者が被用者年金制度等に加入していたなどにより国民年金任意加入対象であった方が、上記1~8に加えて必要となる書類
(1) 戸籍の謄本または抄本(生年月日及び婚姻年月日確認のため)
(2) その他、初診日において配偶者の公的年金等の加入・受給の状況を明らかにすることができる書類は必要となる場合があります。
また、受診状況等証明書を添付できないなどの理由により初診日の確認ができない場合、及び
在学証明書を添付できない場合においては、参考書類の提出をお願いします。
なお、参考書類を提出されても支給の決定が行えない場合がありますので、あらかじめご了承願います。
まとめ
初診日に何らかの事情で国民年金に任意加入していなかったことにより、障害者基礎年金等を受給していない障害者の方について、福祉的措置として新たな法律により支給されるようになりました。
障害状況の認定などまずは市区役所、町村役場で受け付けていますので、窓口へご相談ください。
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