私自身の経験として会社勤めでメンタル不調になった場合、通常は退職になると思います。不調になった原因は、たいてい職場の労働環境や人間関係、ハラスメントなどによる部分が大きいのではないでしょうか。
無理してその会社に在籍していても再発のリスクが高いのとパフォーマンスも発揮できないかもしれません。
新しい職場も必ずしも自分に適した会社とは限らないのであとはご自身で考える必要があります。私自身は、何度も転職しましたがまともな会社に出会えた数は少なかったです。
まずは、メンタル不調が回復するまでは、「傷病手当金」を活用して、再就職することができるようになったら「失業給付金」を活用しましょう。
自身の経験から生活するために焦って転職活動を始めて新たなブラック企業をつかむことはしない方がよいと思います。私自身何度も同様の経験をしたため、ブラック企業がいなくなってほしいと強く願っています。
失業給付金とは
「失業給付金」は「雇用保険(基本手当)」が正式名称です。
雇用保険(基本手当)は、失業された方が安定した生活を送りつつ、1日も早く就職していただくために給付するものです。
つまり、失業状態で再就職の意思があり、転職活動を行う場合に限り支給されると考えてください。
メンタル不調で回復できず「自己都合」で退職となりましたが、失業給付金はどんな制度なんですか>
療養中は「傷病手当金」を使って、回復したら転職活動をすることになると思います。その際に利用するのが「失業給付金」になります。
ハラスメントなど受けてメンタル不調になったのに「離職票」を見たら「自己都合」になっていて失望してます。
「特定受給資格者」といって「ハラスメント行為」があったかなどハローワークで相談にのってくれるので大丈夫です。認められれば待機期間や支給金額も異なるので安心してください。
雇用保険(基本手当)の受給資格
雇用保険の基本手当の受給資格は、原則として、離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要となります。
ただし、倒産・解雇等の理由により離職した場合、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した場合は、離職前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上必要です。
療養中の場合の受給資格
離職前2年間(倒産・解雇等の場合は1年間)の間に疾病、負傷、出産、育児などの理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった場合は、これらの理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を加えた期間(加算後の期間が4年間を超えるときは4年間が最長)により受給に必要な被保険者期間があるか判断します。
失業の状態のみ支給
雇用保険(基本手当)の給付は、雇用の予約や就職が内定及び決定していない失業の状態にある方にのみ支給されます。と厚生労働省で定義しており、メンタル不調で療養中の方はすぐに就職できない事例に該当するので受給することはできません。
失業の状態とは、次の条件を全て満たす場合のことをいいます。
引用:ハローワークインターネットサービス
・積極的に就職しようとする意思があること。
・いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること。
・積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと。
このため、例えば次のような方は、受給することができません。
引用:ハローワークインターネットサービス
・妊娠、出産、育児や病気、ケガですぐに就職できない、就職するつもりがない、家事に専念、学業に専念、会社などの役員に就任している(活動や報酬がない場合は、住居所を管轄するハローワークで御確認ください)、自営業の方など。
病気で療養が必要な場合、受給資格を延長できる
メンタル不調で療養しており、すぐに職業に就くことができない方は、雇用保険(基本手当)を受けることができません。
雇用保険(基本手当)を受けることができる期間は、離職日の翌日から1年間に限られており、これを受給期間といいます。
離職日の翌日から1年以内に30日以上継続して職業に就くことができない場合は、受給期間の延長申請を行うことで、本来の受給期間1年に働けない日数を加えることができ、職業に就くことができる状態になった後に、受給手続ができます。
ただし、受給期間(1年)に加えることができる期間は最大3年間です。
まずは療養期間中は「傷病手当金」を活用し、回復してから「失業給付金」を受給しながらハローワークや転職エージェントなど様々な方法でご自身の適職を探すとよいです。
つまり「傷病手当金」を最大限利用した場合1年半療養して、それから転職活動するでも大丈夫ということです。
ただ長引けば長引くほど貯金を切り崩すことになりますので、固定費の削減や光熱費などの削減などミニマル生活、不要なものをフリマサイトに出品して換金するなどが必要になります。
療養に専念してからでも雇用保険を受給できるのがわかりました。
無理に再就職をしないで、ゆっくり療養してから自分の適職を探すとよいとおもいます。
焦って休職活動すると余裕がなくなってまたよくない会社を選んでしまうかもしれません。
延長の申請はどのようにしたらよいのでしょうか?
延長申請の仕方はハローワークに相談してください。また診断書が必要になります。医療費が大変ですが、なんとか工面するしかないですね。
受給資格者延長申請の方法
メンタル不調で療養中であり、雇用保険の延長申請をする場合は、離職票を勤めていた会社から受領後すぐに最寄りのハローワークへ相談に行くのがよいです。
ただし、体調が悪くハローワークへいくのが難しい場合、郵送もしくは代理人でも手続きが可能なので、最寄りのハローワークの相談窓口へお電話してみてもよいと思います。
受給期間の延長申請をする場合には、病気などで引き続き30日以上継続して職業に就くことができなくなった日(離職前から職業に就くことができない状態が続いていた場合は、離職した日の翌日から30日経過した日)の翌日以降、早期にしていただくことが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までの間であれば、申請は可能です。住居所を管轄するハローワークに申請してください。
引用:ハローワークインターネットサービス
ただし、申請期間内であっても、申請が遅い場合は、受給期間延長を行っても基本手当の所定給付日数の全てを受給できない可能性がありますので、ご注意ください。
雇用保険(基本手当)の給付額
「自己都合」と「会社都合」では大きく支給額や受給要件が異なるのと、「障害者手帳」の有無によっても異なります。
メンタル不調でもし自己都合で退職した場合でも状況によってはハローワークに相談して「会社都合」になる場合もあります。泣き寝入りせず、ハローワークに相談してください。
支給額計算にはこのサイトがおすすめです。おおよその金額予想は可能です。
自己都合の場合
自己都合退職の場合は、離職票を受領後ハローワークへ申請してからの待期期間が長くなっており,、給付金額や給付日数が少なくなっております。
会社を自己都合で退職した場合、雇用保険(基本手当)の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から3か月間雇用保険(基本手当)を受給できない期間があり、これを「給付制限」といいます。
この給付制限を過ぎてから雇用保険を受け取れます。
詳しくは、厚生労働省のホームページをご確認ください。
会社都合の場合
会社を「自己都合」と「会社都合」では給付日数が大きく異なります。また待機日数も自己都合よりも短くなっております。
実際の退職理由は、解雇であるにもかかわらず、離職票には、自己都合退職と記載されている場合など、実際の退職理由と離職票の記載が異なる場合は、雇用保険(基本手当)の受給の手続時に、最寄りのハローワークの担当者へその旨お伝えください。なお、手続時に、離職理由を証明する書類等があれば、ハローワークで本人の主張、証拠書類と事業主の主張等を確認の上、離職理由を決定することとなります。
決定内容について不服がある場合は不服申立が可能ですが、期間制限があります。申立の方法については、審査請求手続きをしてください。詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
特定受給資格者及び特定理由離職者に該当する場合
メンタル不調で退職する方で最もメジャーなパターンがこちらになります。会社都合でなくても「特定受給資格者」および「特定理由離職者」に該当する場合は、「自己都合」と異なり、「待機日数」「給付日数」も手厚くなっております。離職票が届き次第、体調が比較的良いときにハローワークへ相談に行ってください。
特定受給資格者の範囲
「倒産」等により離職した者
引用:ハローワークインターネットサービス
(1) 倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等)に伴い離職した者
(2) 事業所において大量雇用変動の場合(1か月に30人以上の離職を予定)の届出がされたため離職した者(※)及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が離職したため離職した者
(3) 事業所の廃止(事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者
(4) 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者
「解雇」等により離職した者
引用:ハローワークインターネットサービス
(1) 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者
(2) 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者
(3) 賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことにより離職した者
(4) 賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)
(5) 離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者。事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者
(6) 事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者
(7) 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職した者
(8) 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者
(9) 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記(8)に該当する場合を除く。)
(10) 上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者
(11) 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない。)
(12) 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者
(13) 事業所の業務が法令に違反したため離職した者
特定理由離職者の範囲
期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)(上記「特定受給資格者の範囲」の2.の(8)又は(9)に該当する場合を除く。)(※補足1
引用:ハローワークインターネットサービス
以下の正当な理由のある自己都合により離職した者(※補足2)
(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
(2) 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者
(3) 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者
(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
(a) 結婚に伴う住所の変更
(b) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼
(c) 事業所の通勤困難な地への移転
(d) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
(e) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
(f) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
(g) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避
(6) その他、上記「特定受給資格者の範囲」の2.の(11)に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等
※補足1 労働契約において、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します。
※補足2 給付制限を行う場合の「正当な理由」に係る認定基準と同様に判断されます。
雇用保険(基本手当)の手続き方法
療養が落ち着き、再就職の活動ができるようになりましたら、あとはハローワークの所定の手続きをするだけです。詳しい流れは下記の必要書類を持参し、住居所を管轄する最寄りのハローワークまで行ってください。
ハローワークの開庁時間は平日の8:30~17:15までです(土・日・祝日・年始年末は閉庁)。
かなり混んでますので、その日の体調に相談しながら行くとよいと思います。
【必要書類】
1.離職票-1※個人番号欄は住居所を管轄するハローワーク窓口でご本人が記載してください。
2.離職票-2
※複数枚の離職票をお持ちの方は、短期間の離職票であっても全て提出してください。
※1.、2.は勤務していた事業所から交付されます。
3.次の(1)及び(2)の確認書類をお持ち下さい。
(1)個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票の写し(住民票記載事項証明書)のいずれか)
(2)身元(実在)確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、写真付であり氏名、生年月日又は住所が記載されている官公署が発行した身分証明書・資格証明書、住民基本台帳カードなど(届出の時点で有効なもの又は発行・発給された日から6か月以内のもの))
※(2)の確認書類がない場合は、次のア~ウのうち、異なる2種類をお持ち下さい(コピー不可)。
ア国民健康保険被保険者証又は健康保険被保険者証
イ住民票記載事項証明書(住民票の写しまたは印鑑証明書)
ウ児童扶養手当証書など
4.印鑑(認印可、スタンプ印不可)
5.写真2枚(最近の写真、正面上半身、タテ3.0cm×ヨコ2.5cm) 又はマイナンバーカード
6.本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能です。)
まとめ
メンタル不調で療養、退職になった場合でもセーフティネットとして「失業給付金」が支給されます。
ただし、受給するためには療養後、就業できる状況になっていることが必要です。
それまでは「傷病手当金」を利用してしっかり療養し焦らないようにすることが大切です。
生活費の補填をするために貯金があれば貯金を切り崩す、不要なものをフリマサイトで換金する、保険の見直しをする、実家へ戻るなどコスト削減の努力を行いましょう。
カードローンなどの高金利の借金をすると返済のめどが立ちませんので、借金しないようにしましょう。
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