コロナ禍で景気が低迷し、誰もが職を失うリスクが増えております。さらにコロナうつも増えており、自分は大丈夫と思えない状況となっております。
できれば国に面倒をかけたくないという方も多いと思いますが、借金を重ねて多重ローンになり精神的に追い込まれるよりも「生活保護」という選択肢もあります。
私はメンタル不調に何度もなっていますが、持ち家などの問題もあり生活保護を選択することはしてきませんでした。
カードローンなど簡単に借り入れできますが、働いて収入の見込みがない限り多重債務になっていくパターンに陥りがちです。実際、私も同様のケースで妻にはいえず不足した収入をカードローンで補い、多額の借金を抱えることになりました。
「任意整理」の広告などをよくみかけますが、「任意整理」は借りていた金利分を引き直し、一定回数で支払う義務が発生します。安易に「任意整理」ビジネスにひっかからないようにしましょう。
働いて収入の見込みがない場合は、行政や社会福祉協議会の貸付制度もありますが、長期療養が必要な場合で働ける見込みがない場合は、最終手段として最低限の生活が確保できる「生活保護」も検討材料の一つとして考えてみてください。
メンタル不調で働ける状況ではなくなったのですが、どうしたらよいかわかりません。
働けない状況が長引くようであれば「生活保護」という制度を使うこともあります。ただし、メリット・デメリットがあるのでよく考えて行動するとよいと思います。
「生活保護」を受けるのは気まずいのですが、大丈夫でしょうか。家賃も医療費も払えないです。
国が国民が最低限生活を送れるよう保障しているので、安心してください。生活保護受給中は家賃や医療費も負担してくれます。
生活保護は最低限の生活を送るための必要なもの
もし働けなくなった場合に収入がなければ生活ができません。最低限の生活を送るために「生活保護」という制度があります。
体調を回復するための通院費用やお薬代、診断書などとてもかかります。仕事がないとこれらの費用を支払うこともできなくなるので、さらに精神的追い詰められます。
退職していなければ「傷病手当金」を受給できる間は「傷病手当金」と貯金ができていれば貯金を切り崩しながら生活を送ることができます。
休職し、傷病手当金受給期間を過ぎ退職をしてしまった場合で「障害年金」のみで働ける状況でなければ収入がなくなってしまいます。
そのために最終手段として最低限の生活を送るためのセーフティネットとして「生活保護」制度があります。
生活保護は各自治体の窓口に申請することができますので、資産がなくなって負債が増えることを選ばず、各自治体の窓口へ相談してください。
生活保護とは
生活保護とは生活保護法に基づいて、さまざまな理由で働くことができない人や極端に収入が少ない人のために最低限の生活ができるように支援する制度です。
住所がある方もない方も(路上生活をしている、ネットカフェやサウナにいる、友人・知人の家にいる、住民票のあるところではない場所で野宿している、など)、性別や年齢に関わらず、以下の憲法25条にもとづいて、誰にでも申請する権利があります。
国民が健康で文化的な生活を送る権利は生活保護法によって保障されており、困窮の程度に応じて必要な生活費を支給してもらえます。
~日本国憲法 第二十五条~
引用:日本国憲法
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
生活困窮者が生活保護によって支援を受けられる旨については、厚生労働省の公式ホームページにも記載されていますので参考にしてください。
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
引用:厚生労働省
生活保護の相談・申請窓口は、現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。
福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています。
生活保護の内容
生活保護を受給することが可能な内容は下表のとおりです。
・日常生活に必要な費用である生活扶助 |
・賃貸住宅の家賃を支払うための住宅扶助 |
・義務教育を受けるために必要な費用である教育扶助 |
・医療サービスを受けるための医療扶養 |
・介護サービスを受けるために必要な費用である医療扶助 |
・出産に関わる費用である出産扶助 |
・就労に必要な技能の修得等に必要な費用である生業扶助 |
・葬儀のために必要な葬祭扶助 |
生活保護を受給するための条件
メンタル不調を患い働くことが出来ず、資産もなく、他に利用できる公的制度がなく、親族などから支援を受けることが出来ない場合に、生活保護の支給を受けることができます。
また、生活保護を受けている間の医療費は国が負担してくれるため、安心して療養生活を送ることができます。
実際親元や家族から離れて都心部で暮らし、家族もいる場合は親族に頼るということはほぼ不可能でしょう。
生活保護の受給申請するにあたり、窓口では親族に相談できないかと追及してきますが無理なので困っているということを行政や国は理解してほしいです。
・貯金や土地などの資産を持っていないこと |
・病気やけがなど何らかの理由で働くことができないこと |
・他に利用できる公的制度がないこと |
・親族などから経済的な支援を受けることができないこと |
生活保護の手続き
厚生労働省ではホームページ上で最寄りの福祉事務所に下記のとおり手続きをするように記載してあります。
他の社会福祉制度や社会保障制度もあるので、「生活保護」が正しいのか福祉事務所が相談に乗ってくださります。
事前の相談
生活保護制度の利用を希望される方は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当までお越し下さい。生活保護制度の説明をさせていただくとともに、生活福祉資金、各種社会保障施策等の活用について検討します。
引用:厚生労働省
保護の申請
生活保護の申請が通過しにくい状況もあるため、これらの状況を説明できるよう準備は行っておいた方がよいでしょう。
生活保護の申請をされた方については、保護の決定のために以下のような調査を実施します。
引用:厚生労働省
-生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等)
-預貯金、保険、不動産等の資産調査
-扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
-年金等の社会保障給付、就労収入等の調査
-就労の可能性の調査
保護費の支給
生活保護の受給をすることができても公的資金の投入をしているので、下記のように福祉事務所へ毎月報告義務などがあるようです。
厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から収入(年金や就労収入等)を引いた額を保護費として毎月支給します。
引用:厚生労働省
-生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申告していただきます。
-世帯の実態に応じて、福祉事務所のケースワーカーが年数回の訪問調査を行います。
-就労の可能性のある方については、就労に向けた助言や指導を行います。
生活保護の支給額
厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
東京都区部等 | 地方郡部等 | |
3人世帯(33歳、29歳、4歳) | 158,760円 | 139,630円 |
高齢者単身世帯(68歳) | 77,980円 | 66,300円 |
高齢者夫婦世帯(68歳、65歳) | 121,480円 | 106,350円 |
母子世帯(30歳、4歳、2歳) | 190,550円 | 168,360円 |
生活保護世帯の子供の進路相談
厚生労働省にて生活保護世帯の子供の進路相談に関する冊子を配布しております。子供たちに進学の夢をあきらめるようにしなくてすむようになります。
添付の冊子をご確認いただき、福祉事務所へご相談ください。
注意事項
障害年金受給している場合は減額される。
障害年金を受給している場合は、生活保護の受給額が減額される可能性があります。
持ち家などの資産を売却する必要がある。
持ち家やマイカーなどの資産は売却する必要があります。資産を売却する必要がある状況であることを家族に理解していただく必要があります。
借金などは自己破産しておくことが望ましい
住宅ローンやマイカーローン、カードローンなどの借金は自己破産して資産の整理をしておく必要があります。その前に不要なものやブランド品はヤフオクやメルカリなどのフリマサイトやリサイクルショップなどで換金し、借金の返済に充てましょう。
自己破産手続きなどは各自治体にある無料の弁護士相談や法テラスなどで相談するのがよいと思います。
まとめ
生活保護は日本国民の権利です。療養を続けるために「住まい」「お金」「医療」などの社会保障を得ることができます。ただし、財産を保有することはできませんので、注意が必要です。
また、「住まい」を確保できるので療養し回復したあとに転職活動の基盤として使えますので、ゆっくり復職していけばよい制度です。いきなりフルタイムで働いて稼がなくてもできることから始めていけば位よいと思います。各自治体のケースワーカーさんと相談しながら復職していくのがよいと思います。
借金だらけで自宅を失い、家庭も崩壊する危険があるならば、「生活保護」を活用できないか各自治体の窓口へ相談してください。
東京都の相談窓口
東京都ではホームレス・貧困問題を解決し、誰もが生きやすい社会を作るとしてホームページを「路上脱出・生活SOSガイド」を公開しております。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
生活保護を利用するには(収入などが最低生活費に満たないなど)条件がありますが、必要とされる方は最寄りの区役所の福祉事務所で相談しましょう。
引用:東京都「路上脱出・生活SOSガイド」
最低生活費の例 ※2020年5月現在
東京都新宿区にお住いの単身の方の場合…約12~13万円程度
※生活扶助費約7万円+住宅扶助費(新宿区の上限53,700円で計算)
※最低生活費は、年齢や世帯の人数、お住まいの地域の家賃、時期(冬季かどうか)などによって異なりますので、上記はあくまでもひとつの目安として参考にしてください。
全国の福祉事務所窓口
東京都以外の方は各都道府県の福祉事務所へご相談ください。
全国の弁護士会
最寄りの弁護士会にご相談ください。
法テラス
最寄りの法テラスで自己破産、生活保護の相談も受け付けています。
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