私自身の経験から、メンタル不調になった際に療養が必要となったときに障害年金を申請しました。主治医に日本年金機構の所定様式を記載していただき、窓口へ「障害者手帳」をもって相談に行きました。「診断書」の費用は高かったですが、収入源として大変助かりました。
先に紹介しました「生活保護」を受給する際には併給調整がありますが、申請してみるだけしてみたほうがよいと思います。
ただし、必ずしも認可されるわけではありません。
検索エンジン上で障害年金受給代行の業者などたくさんでてきますが、少ない年金をさらに手数料で引かれますのでご自身で最寄りの年金事務所へ行くことをお勧めします。障害者を食い物にしたビジネスにひっかからないようにしてください。
障害年金とは
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
なお、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。
また、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件が設けられています。
※障害基礎年金または障害厚生年金(障害等級1級・2級に限る)を受ける方は、国民年金保険料が免除されます(国民年金保険料の法定免除制度)。国民年金第1号被保険者の方は、障害基礎(厚生)年金の年金証書が届きましたら、市区役所または町村役場にご相談ください。
メンタル不調で生活や仕事に制限があった場合に、「障害年金」が受け取れるんですね。
年金というと高齢者のイメージがありますが、大丈夫でしょうか。
毎月「社会保険料」として支払っているので受け取れる権利はあります。年金といっても高齢者だけでなく、「障害年金」や「遺族年金」などもあるんですよ。
障害基礎年金
国民年金や厚生年金に加入している方で障害者等級(1・2級)に該当する方に支給されます。
国民年金に加入している間、または20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。
引用:日本年金機構
※障害基礎年金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること(保険料納付要件)が必要です。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
障害厚生年金・障害手当金
フリーランスや自営業の方がもし精神障害者等級3級でも受給できませんが、会社員でメンタル不調になり精神障害者3級になった場合は「障害厚生年金」「障害手当金」を支給されます。
障害等級が1級・2級の場合は「障害基礎年金」が上乗せされて支給されます。
厚生年金に加入している間に初診日のある病気やケガで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
引用:日本年金機構
また、障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。
なお、初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。
※障害厚生年金・障害手当金を受けるためには、障害基礎年金の保険料納付要件を満たしていることが必要です。
障害年金申請の受給要件
「精神障害者手帳」が発行され次第、すぐに最寄りの年金事務所に相談して所定の様式をもらうとともに、受給要件を確認するとよいと思います。
相談員が過去の年金のの納付状況などを確認してくださり、所定の様式と受給要件、記載方法を説明してくれます。
私は会社勤めで、障害等級3級なので「障害厚生年金」に該当するかもしれないということですね。受給要件が心配です。
まずは最寄りの年金事務所へ行って相談してみることをおすすめします。審査が通るかどうかはわかりませんが、日本年金機構の受給要件を引用しておきます。
支給要件 | ・厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること ・一定の障害の状態にあること 【保険料納付要件】 ・初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。 (1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること (2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと |
障害認定時 | 初診日から1年6ヶ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合。 ※例えば、初めて医師の診療を受けた日から1年6ヶ月以内に、次の1.~8.に該当する日があるときは、その日が「障害認定日」となります。 ・人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3ヶ月を経過した日 ・人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、そう入置換した日 ・心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した場合は、装着した日 ・人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設又は手術を施した日から起算して6ヶ月を経過した日 ・新膀胱を造設した場合は、造設した日 ・切断又は離断による肢体の障害は、原則として切断又は離断した日(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日) ・喉頭全摘出の場合は、全摘出した日 ・在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日 |
請求 | 【障害認定日による請求】 障害認定日に国民年金法施行令・厚生年金法施行令(別表第一)に定める障害等級1級、2級または3級の状態にあるときに障害認定日の翌月(※)から年金が受けられます(ただし、一定の資格期間が必要です)。このことを「障害認定日による請求」といいます。 請求書に添付する診断書は、障害認定日時点の症状がわかるものが必要です。なお、請求する日が、障害認定日より1年以上過ぎているときは、請求手続き以前3ヶ月以内の症状がわかる診断書も併せて必要となります。 請求書は障害認定日以降に提出することができます。 (※)時効による消滅のため、遡及して受けられる年金は5年分が限度です。 【事後重症による請求】 障害認定日に国民年金法施行令・厚生年金法施行令(別表第一)に定める障害等級1級、2級または3級の状態に該当しなかった場合でも、その後症状が悪化し、1級、2級または3級の障害の状態になったときには請求により障害厚生年金が受けられます(ただし、一定の資格期間が必要です)。このことを「事後重症による請求」といいます。 請求書に添付する診断書は、請求手続き以前3ヶ月以内の症状がわかるものが必要です。 事後重症による請求の場合、請求日の翌月から年金が受けられます。そのため、請求が遅くなると、年金の受け取りが遅くなります。 請求書は、65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。 |
障害年金の年金額
自分がいくらもらえるのかは非常に不安なところです。受給できる年金額は障害の等級によってきめられています。令和3年度より年金額が変更になりました。
【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕※
【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕※
【3級】
(報酬比例の年金額) 最低保障額 585,700円
※その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。
【ご注意】
配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の場合に限る)、退職共済年金(組合員期間20年以上)または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。
具体的に受給額を事前に算出したい場合はこちらのサイトが参考になります。
障害年金認定基準
障害年金を申請するにあたり、日本年金機構の認定ガイドラインにて所定の様式や診断書等で審査されます。認定基準は下記のとおりですが、必ず審査を通過するものとは限りません。
障害認定基準 | 障害年金の対象となる病気やケガは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。 病気やケガの主なものは次のとおりです。外部障害 眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など精神障害 統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など内部障害 呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど詳しくは、国民年金・厚生年金保険 障害認定基準をご覧ください。 |
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私が「障害年金」を受給したときよりも審査が厳しくなっているような気がします。
障害年金請求の手続き
所定の診断書などを医師に記載いただいたら、年金事務所の窓口にて「年金請求署」を記載し、必要書類、印鑑、身分証明書などの提示が必要になります。
日本年金機構の診断書への医師の診断書費用は記載項目が多いため高額になります。複数年の場合かなりお財布に厳し状況となります。
私は複数年申請しておらず、大変な金額を医療機関に支払うことになりました。
また、審査が通過するとは限らないところが不安ですが、審査が通過すれば安心して療養生活が過ごせます。
年金手帳 | 加入期間の確認のため |
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戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか | ご本人の生年月日を明らかにできる書類 単身者の方で、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は、左記の戸籍謄本等の添付が原則不要となります。マイナンバーが登録されていない方は、年金請求書にマイナンバーを記入することで、左記の戸籍謄本等の添付が原則不要となります。 ・マイナンバーの登録状況については、インターネットを通じてご自身の年金の情報を手軽に確認できる「ねんきんネット」で確認することができます。 ・ただし、「年金請求書」を共済組合等に提出される場合には、別途、住民票等の添付書類が必要になる場合があります。 |
医師の診断書(所定の様式あり) | 障害認定日より3カ月以内の現症のもの。 障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3カ月以内の現症のもの)も併せて必要となります。 また、診断書に併せて、レントゲンフィルムや心電図のコピーの提出が必要な場合があります。 |
受診状況等証明書 | 初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合、初診日の確認のため |
病歴・就労状況等 申立書 | 障害状態を確認するための補足資料 |
受取先金融機関の通帳等 (本人名義) | カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(写しも可)等 ※請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要。また、インターネット銀行での年金の受け取りについては、「年金Q&Aインターネット銀行で年金の受け取りはできますか。」をご参照ください。 |
まとめ
メンタル不調のなった際にまず検討したいのが「傷病手当金」と「障害年金」です。
失業してからでは安心した療養生活を送ることができません。一時的に診断書や請求の手続きなど負担がかかりますが、確実に「障害年金」は通過できるとは限りません。
検索エンジンの広告に出てくる代行業者に委託するようなことはしないよう自分で手続きをしましょう。
年金事務所の窓口は混雑しておりますが、予約制のところもあります。最寄りの年金事務所を調べてまずは相談に行ってみてください。
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